有吉佐和子「有吉佐和子の中国レポート」(1)(3.04)

山本市朗の著作を久しぶりに読み終えた私は、何かこの本とよく似た感想を抱いた本があったことを思い出した。それが、有吉佐和子の「有吉佐和子の中国レポート」である。

これから何回かにわたって内容を紹介したいと考えているが、結論的に言えば、両者は似て非なる存在であり、
私の中では有吉の作品は「後世に読み伝えたい日中関係の本」の対象とは考えていないことをお断りしておきたい。

本書は、1978年週刊新潮に連載されたものである(翌年、新潮社から出版)。

有吉は、中国にはそれまで4回にわたり訪れている。5回目になる1978年の訪問は、前年、日本で大きな反響を呼んだ彼女の著書「複合汚染」で得た知識と問題意識をもって、中国の農村の実情、とりわけ肥料や農薬の使用状況を調査したいという明確な目的をもって行われた。

1978年6月、北京空港に到着した有吉は、出迎えの孫平化(対外友好協会常務理事)の落ち着かない態度に不信を抱くが、やがて郭沫若が死去したことを知り納得する。

人民公社での“三同生活”(現地農民と同じ家に居住し、同じ食事をし、同じ労働をする)をあくまで主張する有吉に、現地の受け入れ設備の貧弱さや衛生状態から難色を示す中国側。
画像有力なコネを背景に強引に突破した有吉。



写真;鎌倉にて